今話題のマンガのイメージが影響!? 「鬼+殺」※1の意味問う二択、正解者は4人に1人

 公益財団法人 日本漢字能力検定協会(以下、当協会)では、2021年1月8日(金)~1月17日(日)の10日間、『奇々怪々!へんな漢字クイズ』をTwitterと漢検 漢字博物館・図書館(以下、漢字ミュージアム)前で実施しました。

 難読漢字の一つである「鬼+殺」の意味について、「①人を殺す鬼」、「②鬼を退治する人」の二択で投票してもらった結果、全体の76%が「②鬼を退治する人」に投票しました。

 正解は「①人を殺す鬼」。正反対の二択でしたが、圧倒的多数が「②鬼を退治する人」と予想した背景には、今話題の人気マンガの影響があるのかもしれません。

 時代のトレンドや人々の関心によって、漢字から得られる印象が左右されることの一事例と言えるでしょう。

「鬼+殺」の書 (読み:サイ)

『奇々怪々!へんな漢字クイズ』企画の概要と結果発表

●企画の概要 :難読漢字「鬼+殺」の意味を考えて投票するクイズ企画。

        「①人を殺す鬼」、「②鬼を退治する人」のいずれかに投票。

●投票期間  :2021年1月8日(金)~2021年1月17日(日)

●投票方法  :・漢字ミュージアム公式Twitterの該当ツイートより投票する。

        ・漢字ミュージアム前に設置したボードにシールを貼って投票する。

●集計結果  :総投票数:866票

        (内訳:①人を殺す鬼:208票、②鬼を退治する人:658票)

●正解    :①人を殺す鬼

●発表方法  :解答と集計結果を漢字ミュージアム公式Twitterで発表。

        3月上旬に当協会運営のwebサイト「漢字カフェ」(URL:https://www.kanjicafe.jp/

        にて、より詳しい解説記事を公開予定。

「鬼+殺」の解説

 「鬼+殺」は一見創作漢字のように思えますが、収録字数約5万字を誇る『大漢和辞典』(大修館書店)に実際に採録されている漢字で、その読み方は「サイ」。1000年前の発音引き字典によると、この字は「鬼+察」※2という字と同じで、『羅「鬼+察」』という悪鬼の名前を表すための字として使われていたようです。

 これは一般に「羅刹」として知られる鬼のことで、中国最大の辞典『漢語大詞典』によると「人の血肉を喰らい、飛び走る動きの速い鬼」とあり、大変恐ろしい姿であることが想像されます。

「5万字タワー」にある「鬼+殺」を見つけられる?

 漢字ミュージアムには、『大漢和辞典』に採録された約5万字の漢字が書かれた「5万字タワー」があります。「鬼+殺」も5万字の中のどこかに存在しています。果たして見つけられるでしょうか。

漢字ミュージアムの「5万字タワー」と「鬼+殺」の字

漢字ミュージアム来館者の様子にもマンガの影響が…!

 来館者に接するスタッフの元には、「マンガをきっかけに難しい漢字に興味を持った」といったお声も届いています。人気マンガの影響はこんなところにも表れています。

■スタッフが見聞きしたお客様のご様子(スタッフの日誌より)

・お子様連れのご家族。作中に難しい四字熟語や漢字が出てくることもあり、漢字学習のきっかけになっているとのこと。

・小学4年生の男の子はもともと漢字が好きだったが、マンガがきっかけで難しい漢字にも興味を持たれたそう。「5万字タワー」から、ご自身のお名前を探された後、キャラクターの漢字を探し、写真を撮られていた。

・「5万字タワー」からマンガのキャラクターの字を探されている方も多くいらっしゃり、保護者様は「子供が難しい漢字を覚えるきっかけになっている」と感じられている様子。

・「鬼+殺」の漢字を見つけたお客様。「私のようなファンなら誰でもすぐ反応すると思います!」と、とても喜んでいるご様子だった。(イベント開始前の日誌より)

 「鬼」を使った漢字は「鬼+殺」のほかにもたくさんあります。緊急事態宣言が解除され、コロナが収束しましたら、ぜひ「5万字タワー」の中から探してみてください。

「5万字タワー」にある「鬼」を含む漢字

※1「鬼にょうに殺」で漢字一字

※2「鬼にょうに察」で漢字一字